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ウィーンの友達へのお礼

最終更新日時:2016-09-30 / 投稿日時:2016-06-08
  • 投稿者:布野幹夫
  • 6月8日の夜、ウィーンの地下鉄に乗ったところ、車輌事故かなにかで動かなくなり、困っていた私たちツアーグループに、隣に乗っておられたオーストリア人の中年のご夫婦がわざわざ一緒に電車を降り、バスでホテルまで送っていただきました。 ご夫婦のお名前を聞き漏らしたのですが、ピアニスト勝子の友達と言っておられました。ご主人は建築家で息子さんは日本の上智大学に留学中とのこと、世界中どこでも親切な方がおられることを改めて実感し、感激しました。ウィーンは本当に良いとこです。
  • 大分時間が経ってしまいましたが、今入院中、ホームページを久しぶりにゆっくり見て、、、ビックリしております。実は勝子違いかもです、、でも素晴らしい方ですね!このようなお話は読んでいても気持ちの良いものです。有難う御座いました!!

金子先生

最終更新日時:2014-08-25 / 投稿日時:2014-08-09
  • 投稿者:べーやん
  • 先生、お身体大丈夫ですか?
    重なる時は、色々降りかかります。どうか大丈夫と思っても、お休みください。先生の身体が悲鳴を上げられてるのだと思います。
    先生のお元気な姿を拝見することを希望いたしております。
    どうかお大事になさってください。
    先生のファンより
  • 有り難う御座います!ご心配恐縮です。やっとよくなって参りました!公の仕事もはじめております。先日PTNAの全国審査及び表彰式にも無事やり遂げる事ができました。
    9月7日(日)13時からはカワイ表参道にて公開レッスンなどもいたします。お近くでご都合よろしければどうぞ!いろいろご心配をおかけいたしましたがもう大丈夫と存じます。しかし油断は禁物ですね!

ソナタNo. 8 ハ短調、Op. 13 の解釈(ソナタ No. 5 の続き)

最終更新日時:2013-08-16 / 投稿日時:2013-08-16
  • 投稿者:土田
  • ベートーヴェンは、音量が小さく、倍音に乏しい当時の楽器の欠点を補うために広間の残響を利用する、同様の表現を多用しています。有名なソナタNo. 8 《Pathétique》ハ短調、Op. 13 の冒頭もそうですね。冒頭和音に続くフレーズは、当時の状況では恐らく、まだ冒頭和音の残響が収まり切らないうちに続けて演奏され、まるで、広間に充満した響きと空気そのものが揺らぐかのように聴こえたのではないかと思います。続く和音は前打音を伴って、より勢いをつけて広間に響き渡り、その残響がまた揺らいで消えていく。そして3度目、同様に前打音を伴うが響き渡ると、その余韻は、揺らぎを反復したかと思うと、ツッとそこからメロディーが迸り出て落ちてくる。落ちた先でバウンドしたメロディーからは、冒頭和音の余韻の揺らぎが増幅され、漣のように寄せては返す流れを生み出していくのです。

    実に効果的に聴く人の心を音楽に吸い寄せていく仕掛けなのですが、それもそのはず、当時の演奏の場では、演奏開始時に聴衆がざわめいていることはよくあること。18世紀の交響曲の冒頭が、必ずフォルテで始まっているのは、お喋りに興じる聴衆の注意を音楽に向けるためだと言われています。ピアノ曲も、公開の場で演奏されることを前提とする場合には、《魔笛》序曲冒頭宜しく、「さあ、始めますよ!」という開始宣言にも似た大音響の和音が必要だったのでしょう。それにしても、その冒頭和音の残響まで計算しつくし、響きを内包する空気が揺らいで変容する様まで音楽で見事に表現してしまう、そこまで楽器の性能と音響効果を知り尽くしているベートーヴェンはやはりさすがですね。

タイプミス 訂正

最終更新日時:2013-08-15 / 投稿日時:2013-08-15
  • 投稿者:土田
  • タイプミスを見落としました。コンラート・グラーフのハンマーフリューゲルについての説明部分、「音域によって弦やハンマーの材質を変える」です。

ベートーヴェンのピアノソナタ No. 5 ハ短調、Op. 10-1 の解釈

最終更新日時:2013-08-15 / 投稿日時:2013-08-15
  • 投稿者:土田
  • サイトで先生の最近のご活躍ぶりを拝見させて頂いておりまして、気になる投稿が目に留まりました。実に33年ぶりに偶然、コンタクトを取らせて頂いて僭越だとは存じたのですが、今の私の立場から、気が付いたことを少し書かせて戴いて宜しいでしょうか?

    私の方の活動報告もさせて頂いていないのでは話が通じないかもしれませんので、簡単にご説明申し上げます。私は、私の記憶違いでなければ、約45年前の小学生時代、まだ黎明期の先生のピアノ教室でピアノとソルフェージュの手ほどきを受けました。当時は、まさか音楽を専攻することになるとは夢にも思わず、幼少時に蒔かれた種が、その後の人生に与える影響の重大さに、今となってはただただ、驚くばかりです。

    とはいえ、私はピアニストやピアノ指導者ではなく、自筆譜研究に従事する音楽文献学者ですので、先生の門下生の中では変り種です。我々の仕事は、まず第一に、自筆譜その他の原典資料が発する情報を歴史学的・文献学的検証を経て正確に把握し、それを音楽の理解に役立てられるような形で発信すること。私の研究は年代判定研究による作品の成立史解明等、純音楽文献学的傾向が強いのですが、演奏活動に密接に関わる音楽文献学の領域に、楽譜校訂作業があります。楽器や記譜習慣の変遷を踏まえ、作曲家が当時の状況で想定していた音色や様式をできるだけ忠実に再現する校訂譜を作成し、それに注釈を加えるのは、音楽文献学者の大切な仕事です。

    そうした見地からベートーヴェンの初期ピアノソナタの解釈を考えますと、まず、ベートーヴェンの時代のピアノは、構造も音色も、現代のピアノとは異なります。それに伴い、記譜習慣も変わります。

    シューベルトの人生と重なる後期のベートーヴェンが愛用していたコンラート・グラーフのハンマーフリューゲルは、まだまだ音量は小さいものの、歌うようなレガート奏法にもかなり適していた上、音域によってげやハンマーの材質を変えることにより、音域により音色が違う上、さまざまな機能をもつペダルを複数、取り付けることにより、フレーズごとに音色を変えることが可能でした。そのため、この時期のベートーヴェンやシューベルトのピアノ作品は、全体がまるでオーケストラのような多様な音色で構成されるように作曲されています。

    これに反して、ウィーン時代のハイドンやモーツァルトと重なる初期のベートーヴェンが愛用していたフォルテピアノは、ずっとクラヴィコードに近いタイプで、音色は細くて繊細、レガート奏法や淡い中間色の音色表現が難しい楽器でした。

    後期のベートーヴェンやシューベルトにすら、mf やmp が滅多に現れないのは、音量が小さく、倍音が弱いこうした当時の楽器の構造に依っています。ちなみに当時は diminuendo の表記も滅多に使われず、稀に使われる場合には、 decrescendo + ritardando を意味し、後に a Tempo が続くことが多かったのです。

    当時は、楽器そのものの音量が小さく、倍音が弱い分、演奏される場である城の広間や教会等の残響が強かったため、そのことを計算に入れて演奏する必要がありました。そのため、当時のdecrescendo は特に管弦楽器群では、フレーズ冒頭に Bebung という、ビブラートを掛けたようなアクセントを付けて急激に減衰するスタイル。鍵盤楽器の場合も、それに準じています。徐々に音を弱める、現代のような decrescendo が定着したのは、楽器そのものの音量と倍音が豊かになった19世紀半ば以降のことです。

    ベートーヴェンの初期のピアノソナタを現代ピアノで弾く際には、こうした相違点を踏まえた上で、ベートーヴェンが想定していた音色に近いイメージを現代ピアノで再現することが必要になります。ピアノソナタ No. 5 ハ短調、Op. 10-1 第1楽章の場合には、冒頭の和音が Bebung のアクセントのような役割を果たし、その残響が広間を漂って消えていくのをなぞるかのように、ピアノの音も同じ和音をパラフレーズして上昇する。そして、広間の残響がほぼ消えたところで、合いの手のフレーズ。そしてまた次の和音の残響をピアノがなぞる。実に効果的に計算されて作曲されているわけです。

    講師の先生が「ピアノは弾こうと思えば全てハーフタッチで弾くことができるのだから、大きな音、強い音を出さないでね。」と仰ったというのは、恐らくは、冒頭和音の余韻と広間の残響をピアノがなぞって、音が上昇する部分のことではないでしょうか。演奏技術的には、まさに先生が仰るような、「瞬間に支えを入れながら響きを入れ、すぐ指の力を抜いて次の音へ移動しモチーフの響きを活かして構築する」ことが必要になりますから、双方のご意見は、矛盾はしていないと思います。
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